神の光　2023年1月号巻頭言　こころ一つ

天地海めぐる月日の心しれ 昔もいまだ生はかはらん

教祖さまは、このお歌を正月元旦の初持みの御神前で三度唱えよと仰せられ、また、「正月は関所」とのお言葉も残している。

思えば令和二年の一月、中国武漢からの帰国者が発熱し、国内において新型コロナウイルスの感染が初めて確認されてから丸三年が経つ。世の中の様相は一変、マスク着用、うがい手洗いは生活習慣となり、この間変異株も現われて感染拡大、減少の波を繰り返し、今冬は第八波となっている。ワクチン接種が進み重鶴化、致死率が下がり行動規制が緩和されているとはいえ、まだまだ油断は出来ない環境にある。また、ロシアによるウクライおびゃナ侵攻に端を発した物価高も一向に収まる気配がなく、日常の生活を脅かしている。

天地海のこのお歌、わざわざ三度唱えよと仰せられたのには意味がある。過去から未来永劫変わることなき親神さまの御心、御たんせいをしっかりと心に刻み、折角大いなるものからこの世に生み出された限りある命であれば、難苦がつきまとうのも人の世の常だが、これにめげることなくこの一年を如何に大切に生きるのか、心して誓いを立てよとの問いかけである。「正月は関所」の「正」には「あらたまる」という意味があれば元日を一つの節目と掘えて旧年の垢を捨て、「今日無事あることの有り難さ」に思いをいたして新たな自分を見出したい。

教祖さまのお言葉に、

「安楽な道に迷わぬように気をつけべし」

とあり、また、

「身をつぶすも良き身となるも、こころ一つ。こころの定め第一」

とある。混沌とした世相に惑わされることなく、改めて「しまつつつしみたしなみ」を旨とし、一日一日を大切に過ごしたいものだ。皆様のご健勝を祈る。