巻頭言 5

災を痛む   平成23年 3・4合併号

去る3月11日、三陸沖を震源に国内観測史上最大のマグニチュード9を記録した大地震「東北関東大震災」については、大津波が発生し東日本の広範囲にわたって甚大な被害をもたらした。

特に宮城・岩手・福島の海岸沿いの市町村は津波に呑み込まれ、一瞬にして壊滅状態に陥り、死者・行方不明者は二万人を超す大惨事となった。また、福島原子力発電所も大打撃を受けて放射能漏れを起こし、地域住民は二十キロ圏外への退避を余儀なくされるなど、日を追って明るみに出る被害の深刻さに心が痛んで来る。亡くなった人への哀悼と、被災されている方の一日も早い安穏をただただ祈るのみである。

今度の大震災、自然の猛威にはなすすべもなく、心の底からおののく。平穏な毎日では、明日も明後日も何事も無くやってくると思いがちだが、本当は一寸先がどうなるのか、誰にもわからない事を教えている。我々は大自然の働きの中で生を営んでいるに違いなく、何時また災害に遭遇するかもしれない。だからといってまだ来ぬ未来をいたずらに不安視して憂いていても始まらず、また逆に、過去を引きずっているだけでもなにも生まれないだろう。

人は本来、「今ここ」の地点でしか生きる術がないのであれば、辛い事、悲しき事をかかえながらも、今目の前の一つ一つに心を凝らして、生きる営みを続けて行く以外にはないだろう。

災害だけでなく、人災を含め災難は何時やって来るか分からない。どんな状況下に陥ってもあきらめることのなきように、「たんせいはすたらんもの」、「ひらくたんせいは、わが身のため」との教祖様のおさとしを改めて心に刻みたい。

思い返せば、神戸が一人ひとりの地道なたんせいと、全国から寄せられた支援によって見事に復興したように、これから先被災地の復興を願い続けたい。相身互い、被災した人の身になって自分に今出来る事は何かを考え、そして実行して行こう。